すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『ただいま神様当番』

バス停の名前は「坂下」。7時23分の発車時刻に合わせて集まる固定メンバーは、20代のOL、小学生の女の子、男子高校生、外国人教師、ワンマン社長の5人。その日、バス停に一番乗りにやってくると、バス停に置かれていたのは、ちょうど欲しいと思っていたもの。そして、そこには「おとしもの」と付箋が貼られていて…。

 

ついつい、うまくいかないのは周りの環境のせいにして、自分のことは棚に上げて、妬んだり、僻んだりしてしまうことがあるけれど、ちょっと見方を変えるだけで、そして少し行動に移すだけで、世界は変わるかもしれないなと思いました。「怖いものなんてない人より、本当は怖いのに立ち向かってく人のほうが、何倍も強いよ。それを勇気って言うんだと思う」などなど、心に響く言葉がいくつもあって、何度か泣いてしまいました。年かな。

中学高校の頃はバスを使っていたけれど、今は電車通勤です。たまに時間を変えることもあるけれど、大体いつも同じ電車の同じ車両に乗っており、そして同じ電車に乗る人たちもだいたい同じメンバーです。朝だけでなく帰りも同じ電車で見かけたりすると、このぐらいの勤務時間なんだなぁ、でも会社はどのあたりだろう?と気になったり。時差出勤のため、以前に比べると早い時間となっているのですが、以前だったら出張で早く出かけなければならない時ぐらいしか使うこともなく、この時間帯が普通の人もいるんだなあと思ったりしていました。

そういえば、電車だけでなく通勤途中に見かける人もおり、休日、家族でお買い物中のところを見かけたりすると、「あぁ、パパさんなんだなぁ」とか思ったり、スーパーのレジのおばちゃんを違うところで見かけて、「絶対どっかで見たことあるんだよね」と頭をひねったり。お互い、それぞれの暮らしの中ではエキストラとして登場しているわけで、なんだか不思議というか面白いというか。

うちの父は若いころに東京に少しだけ暮らしていたことがあり、そのとき山手線を使っていたようなのですが、毎朝同じ時間に行っても、同じ人を見かけなかったとのこと。よくよく見たらいつも同じ電車の人もいたんじゃないかとも思うのですが、東京ってすごいなぁ…と。

本棚:『ホームズの娘』

『ルパンの娘』シリーズの第3作です。『ホームズの娘』とあるように、今回は探偵一家の娘、北条美雲の禁断の恋の行方。恋した相手は泥棒一家の息子の渉。結婚へ向けての話は、本当にいいの?と思うぐらい順調に進むのですが、やはり障害が立ちはだかるわけで…。そして、もう一人のLの一族から、和馬に挑戦状が届きます。今回も、ところどころニヤニヤしながらノンストップでした。探偵一家の北条家もキャラがかなり濃いですし。続き(→『ルパンの星』)も気になって、早速予約しました。

 

今回は事件がたくさん起こるし、話はどんどん進んでいって、事件自体は前回からさらにパワーアップしているように思いますが、一方、桜庭家(は今回は登場が少ないけれど)も三雲家も北条家も、それぞれ個性的ではあるけれど、なんだかんだいって家族のことが気になって好きなんだなあと思えるのがいいです。他の家族のことはわからないけれど、うちの家族もだいぶ変なんだろうな…。

ドラマは見ていないので、ドラマとの違いは分かりませんが、本当にエンターテインメント!といった感じで楽しく読めます。泥棒は犯罪ではありますが、この話に出てくる泥棒には憧れちゃうんですよね。家族として一緒に暮らすなら、いろいろ思うところはあるかもしれないですが…。

本棚:『くよくよマネジメント』

『くよくよマネジメント』というタイトルからすると、生き方や人生訓とかメンタルヘルスケアの本かなとも思われるかもしれませんが、津村記久子さんのエッセイです。著者の名前を見て、知っているかもと著者紹介を見ると、以前読んだ『ミュージック・ブレス・ユー‼』の著者でした。著者は「くよくよ族」とのことですが、くよくよしたことに対して誠実に向き合っているなぁと感じました。

 

なるほどと思ったのが「明日の自分を接待する」というもの。日々の暮らしの中で、あの時、先延ばしせずにやっておけば、今の忙しい中、余計に時間をとられることもなかったのに…ということは多々あるかと思います。著者はいろいろ考えた末、今の自分を腹立たしく思うであろう未来の自分を「間抜けで文句言いの疲れた客」とみなすことにしてみたそうです。そして、今の自分はその人を接待していると。ついつい、今は疲れているから、とか、まだ期限まで余裕あるし~と未来の自分に期待して先延ばししてしまうことがありますが、例えば成長著しい子供だったら今できないことが1年後にはサクッとできるようになっているというのはあると思いますが、もういい歳ですから、今できないことはきっと1年後の私もできないでしょう。もしかしたら今よりも体力、気力ともに衰えて、余計に時間がかかるかもしれません。だからこそ今できることは今やっておいて、未来の自分の追い込まないようにしようと思いました。

また「手書きによる心の保存方法」というのもいいなと思いました。著者はある時期から手書き ツイッターというものを始めたそうで、これは誰にも見せないことが前提だそうです。私の場合は、日々思ったことの一部はこのブログで書いていますが、残りは特に書き留めていないので、どんどん流れていきます。たまには心を落ち着けて、手書きで自分の思ったことなどを書いてみるのもいいかもしれないなと思いました。自分が死んだ時に他人に見られたくないものは残したくないというのがあるので、日記帳に書くのは後々の処分のことを考えて嫌なのですが、今は手帳にGOOD & NEWを3つ書くようにしており、それと似た感じで、まさしくTwitterにつぶやくようにちょっと書き留めておくだけでいいかもしれないなと思いました。

最後に「豊かさを享受する方法」にある最後の文章が沁みたのでご紹介。

消費を話題の中心に据えられることは、豊かさを表象しているけれども、静かに自分の好きなものをゆっくりと味わうことをまた、豊かさを享受する一つの方法なのです。

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本棚:『まりも日記』

著者のエッセイ『おひとり様作家、いよいよ猫を飼う。』を以前 読んだことがあったので、タイトルを見た時に「あっ!マリモさんだ」と思い手に取りました。しかし、読んでみて、エッセイと重なる部分があるものの、マリモさんを飼ったのはお金に余裕ができてからじゃなかったっけ?と頭がこんがらがってしまいました。図書館の新着図書コーナーにあり、小説もエッセイも料理本やら健康関連の本も一緒に置かれていますから、これは小説?それともエッセイ?と。しかし、終わりの方にブログからところどころ引用しており、虚実ごっちゃまぜと書いてあり、あぁ、そういうことか!と納得しました。

 

本書のまりもさんは、飼い主が何回か変わっています。飼い犬や飼い猫は、飼い主が変わらないのがいいと思いますが、残念ながら変わってしまうこともあるでしょう。また野良猫だったら色んな所で可愛がられているということもあるかと思います。そういう場合、犬や猫は歴代の飼い主などをどういう風に思ってるのかなと気になりました。犬や猫と話ができたら面白いんだろうなあ。でも話ができないからこそ良いこともあるかと思います。いたずらされても、話が通じないから、人間に対してほどイライラしないでしょうし、犬や猫の行為を自分の都合のいいように解釈することもできます。

また、事故物件の話がいくつか出てきて、小説の中では事故物件を紹介しているサイト名が「小島サダ」というものなのですが、実際にそういうサイトがあるってことだよね?とちょっと調べてしまいました。私が住んでいるところは都会ではないので、なかなか事故物件にあうことはないだろうと思っていましたが、近所にはなくとも市内ではいくつか…。

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本棚:『大人の OB 訪問2』

今回登場するのは、宅配便 配達員(30代男性)、50年続くパン屋さん(48歳女性)、翻訳コーディネーター(44歳男性)、婦人相談員(50歳女性)、100円ショップパート店員(50代女性)、盲学校教員(45歳男性)の6名です。

 

まず宅配便配達員の方のお話の中で「送料無料だから不在率が高い」というのがあります。送料無料じゃなかったら買わないものは増えると思うし、できるだけまとめて買うといった意識も生まれるだろうとのこと。確かにネットで何かを買うとき、送料が無料かそうでないかというのは大きなポイントです。実際には無料なのではなく、商品の価格に上乗せされているのだと思いますが、送る手間暇がかかっているのは事実なわけで、何度も配達するのはエネルギーの無駄使いです。私の場合は、荷物を受け取るために在宅していないといけないというのが苦手で、宅配便ロッカーが使える場合はそれを利用しますが、段ボールや緩衝材などのゴミが出るのも嫌で、できるだけ店舗で買うようにしています。

そして50年続くパン屋さんのお話では、パンの材料の値段は全て上がっていて、同じ値段でパンは作れない、同じ値段にしたいなら材料の質を落とすか量を減らすしかないとのこと。このお話の方の場合は、ご主人がこだわっており、材料の質は落とさず、値上げを何回かしているけれども、長年ファンでいてくれる方もいるそうです。食パン一斤で100円を切るものもあるけれど、原価はだいたい30%だそうで、となると原価30円でできる食パンってどういうものだろうと想像したら、とてもまともな材料を使っているとは思えないそうです。

100円ショップパート店員の方のお話では、お店のあるところが高齢者の多い地域で、杖まで売っているそうですが、老眼鏡がすごく人気だそう。どうやら家の中の部屋ごとに一個ずつ老眼鏡を置くそうで、100円だから壊れやすいと思うけれど、壊れてもまた買えばいいって思うのだろうとのこと。

確かに安い方が嬉しいし、値段というのは、とてもわかりやすい指標です。でもその安さには何らかの理由があって、長期的な視点に立った場合に本当に安いかどうかというのはよくよく考えないといけないのではと思いました。

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本棚:『老後の資金がありません』

夫は57歳。子供二人を私立大学にやり、住宅ローンもようやく残りあと2年。現在の預金高は1200万円。夫は見栄っ張りで家計には無頓着。娘の結婚式代に舅の葬儀代…。どんどん預金が減っていく中、さらには夫婦ともに仕事を失って…。(本書、映画化されており、もともとは昨年公開予定だったようですが、今年10/30公開のようです。)

 

主人公の篤子が息子の大学の授業料を払い終えて、肩の荷が下りたと喜ぶ回想場面があります。うちの母も、私が大学を卒業した時に肩の荷が下りたとほっとしたのではないかなと思います。そして、それ以降、財布の紐が緩んだのでしょう。実家では冷蔵庫の中も含め、モノが増えていったように思います…。

本書では、義母が高級ケアマンションに暮らしており、月に9万円仕送りをしています。しかし、その9万円を払うのが厳しくなり、自分たちのマンションにお義母さんを引き取るのですが、それから義母はどんどん元気になっていきます。自分でできることは自分でやった方がいいんだろうなと思いましたし、誰かの役に立つのは嬉しいことなので、お願いできることはお願いしてしまった方がよいのでしょう。

そして主人公のフラワーアレンジメント教室の友人は、パン屋さんを営む節約家。お葬式は葬儀屋には頼まず、親戚一同でお金をかけずに心温まる式を行います。昔は近所で誰かが亡くなると、母は手伝いに行っていたし、そういうのが普通だったなぁと思いました。今ではご近所の人に手伝ってもらって…というのは難しい地域が多いと思いますが、親戚でならできるかもしれないなと思いました。ただ、そのためには親戚一同が考え方が一緒で、そもそも仲が良くないといけないだろうなと思いますが…。

ところで、老後資金とか高齢者ドライバーの話とか、ニュースなどで話に聞くよりも、小説で仮想体験をする方が、私の場合、よくよく考えられます。若い頃だったら、こういうネタは興味がなかったかもしれないですが、最近はこういうのが好きですし、参考になります。

 

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本棚:『神様の罠』

6人のミステリー作家(乾くるみ米澤穂信、芦沢央、大山誠一郎有栖川有栖辻村深月)のアンソロジーです。まず最初にある乾くるみさんの『夫の余命』で騙されました。そして芦沢央さんの『投了図』と辻村深月さんの『2020年のロマンス詐欺』はコロナ禍を反映した作品となっており、そういうこともあったかもしれないなぁと、なんだかちょっと切なくなりました。有栖川有栖さんの『推理研VSパズル研』では、居酒屋で隣同士となったことから、パズル研から出された問題を推理研が解くことになるのですが…。出された問題は論理パズルで、問題の妙な設定に対してまで推理を行うところが面白いです。ミステリーはあまり読まないので、論理についていくのが難しかったですが、推理研とパズル研がお互いムキになるのが傍から見ていると微笑ましいです。

 

さて、コロナ禍を反映した作品ですが、昨年、私自身は仕事がテレワークとなったことと、外出の機会がほとんど無くなり、実家に帰省できない状態が続いているぐらいで、ありがたいことに、それほど大変な目にはあっていません。しかし、2020年が新生活など何かイベントのある年だった人にとっては、普通のことが普通にできず、予定が狂ったりして、大変な年だったのではないかと思います。まだまだコロナは落ち着いていませんが、去年を振り返ってみて、やはりいつもとは違う年だったんだなあと改めて思いました。