有川浩さんの『クジラの彼』を読みました。有川浩さんの作品は、『図書館戦争』シリーズや『植物図鑑』、『阪急電車』、『レインツリーの国』、『旅猫リポート』などを読んだことがあります(『旅猫リポート』は、かなり泣きました)。この『クジラの彼』については、タイトルは知っているけれど、読んだことはなかったなぁと思って手に取ってみました。しかし読み始めて2ページ目ぐらいで、読んだことがあることに気づきました。私の記憶力はなんとあてにならないものかと思いましたが、ほどよく忘れていて、楽しめました。
本書には6つの作品が収録されています。解説によると、作者が最初に提案した本の題名は『国防ラブコメ』だったそうです。いずれの作品も、恋愛の当事者の片方あるいは両方が国防のために働いています。

- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/06/23
- メディア: 文庫
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この本の中で私の心に響いた言葉は、『ファイターパイロットの君』に収録されている
「前日どんなに喧嘩をしても、翌朝は笑顔で送り出してくれ。その日の晩に二度と帰って来ないかもしれないのが自衛官だ。」
というものです。これはファイターパイロットの君(彼女)との結婚式における、自衛隊関係者からの祝辞として出てきます。もちろん一般人と国防のために働いている人とでは言葉の重みがだいぶ違うと思いますが、誰にでも言えることではないかと思います。家族や恋人、友人、近いからこそ、頭にきたり、喧嘩となることもあるかと思います。でも、大事な人だからこそ、喧嘩をしたまま離れることがないようにありたいものです。