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本棚:『神去なあなあ日常』

三浦しをんさんの『神去なあなあ日常』を読みました。高校を卒業したばかりの平野勇気が放り込まれたのは、三重県林業現場。そこでの一年をパソコンに綴っています。

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

 

 私を含め、たいていの人は林業がどのようなものか知らないと思います。この作品を書くにあたり、著者は相当な取材をしているのだと思います。丹念な取材とそこから生み出される作品。それをこんなに手軽に味わうことができるなんて、やはり読書っていいなと思います。

作品の中に出てくるセリフ

「木を植えれば環境保護や、ちゅうのは、都会のひとの考えや」

「人間の都合で木を植えまくって、それで安心したらあかんのや。やっぱり、大切なのはサイクルやな。手入れもせんで放置するのが『自然』やない。うまくサイクルするよう手を貸して、いい状態の山を維持してこそ、『自然』が保たれるんや」

というのも、取材の中で出会った言葉だったりするのかな、なんて思いました。

ただの文字のつながりなのに、物語が生まれる、読者はそれを体験することができるというのは、作家ってすごいなと思います。読んでいる間は、私も村の住人になったような気分でした。主人公の平野勇気は横浜育ち。私は都会育ちではないですが、都会の若者である勇気が仲介となることで、話に入り込みやすいのだと思います。

作品の中で、いつも山仕事についてくる班のメンバーの飼い犬が、ある出来事で元気をなくしてしまうのですが、犬が元気を取り戻すために大の大人が真剣に芝居をする姿は(大根役者なのですけど)微笑ましいです。