私がはじめて手紙を書いたのはいつだったのか覚えていませんが、はじめて手紙をもらったのは小学2年生の夏だと思います。
親の仕事の都合で、同じ県内ではありましたが、引っ越すことになりました。引越しは夏休みの間に行い、2学期から新しい学校へ転校することになりました。1学期の終業式の日。ホームルームで先生が、私が転校することをみんなに伝えました。ホームルーム終了後、クラスの男の子が「おみやげ、キーホルダーでいい?」と聞いてきました。確か、小学校の近くに住んでいて、登下校の班も異なり、今までお土産をもらったことも、あげたこともありません。なぜ、そんなことを聞かれたのか分かりませんでしたが、とりあえず「うん」とうなずきました。
引越しの前日。祖父の家が近かったので、私は祖父の家にあずけられました。そして、当日、それまで住んでいた家に連れられていくと、引越しのため、大人がいっぱいです。そして、親から「〇〇君がもってきてくれたよ」と紙袋を手渡されました。その時まで、終業式の日に「キーホルダーでいい?」と聞かれたことは忘れていました。中身は、わたしの名前が入ったキーホルダー、おもちゃのネックレスがついたチョコレート菓子と手紙。キーホルダーとお菓子についていたネックレスは、しばらく持っていたので覚えていますが、手紙だけは、どこにやったのか思い出せません。
おそらく、「新しい学校でもがんばってね」というようなことが書いてあったのではないかと思うのですが、親から紙袋を手渡されたとき、なんだか恥ずかしくて、ポケットとかに入れて、そのままどこかへ行ってしまったのではないかと思います。
きっと、「クラスの子が転校する、じゃあ何かあげよう」という純粋な気持ちから、くれたのだと思います。おそらくホームルームで先生は引越しの日を言わなかったでしょうし、私自身よくわかっていませんでした。たしか彼のお兄さんが、うちの兄と同級生だったので、親かお兄さんから引越しの日を聞いたのでしょう。そして、約束を果たすため、大人がいっぱいいる中へもってきてくれたのだと思うと、その手紙のことは悔やまれます。
その後、中学・高校ではイベントで知り合った子と文通をしたり、好きな漫画家へファンレターを送ったりしましたが、はじめてもらった手紙がなんと書いてあったのか、今では想像することしかできません。

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