すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『ナツイロ』

関口尚さんの『ナツイロ』を読みました。大学生の田中譲はみかんアルバイターとして愛媛へ行き、そこでシンガーソングライターとして成功することを目指しているリンと出会います。譲の両親の教育のモットーは「譲り合いの精神を大切に」。よく言えばお人好し、悪く言えば事なかれ主義の譲につけられたあだ名はイエスマン田中。一方のリンは、大風呂敷を広げて周りに迷惑をかけるタイプ。

 

譲もリンも、もうちょっとどうにかならないのかなと思うのですが、

「あたしだって歌が好きだもん。好きなことで逃げちゃ駄目だよ。逃げたら絶対に後悔するよ。自分を失っちゃうよ。だから負けるってわかっててもやるんだよ!大切なのは結果なんかじゃないの。百パーセントの力で挑んだって事実だよ!それは本気で生きたってことになるんだよ!」

というリンのセリフには、ぐっときました。頑張ったのに駄目だったらみじめだから、挑戦せずに諦めてしまうっていうことはあるなと思いました。

リンに振り回されてばかりの譲も、「リンは人として大嫌いだ。別にいつ死んだってかまいやしない。けれど、歌って成功したいという彼女の願いまで否定するつもりはない」と思っており、「どんなに空が曇っている日でも、その雲の上には真っ青な空が広がっている」ということをリンにも分かってもらいたいと思っています。

裏表紙には「青春まっただ中の男子と女子の物語」とありますが、青春に年齢制限はないと勝手に思っているので、リンの歌への情熱を少しは見習いたいと思います。