すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『私を知らないで』

白河三兎さんの『私を知らないで』を読みました。主人公の黒田慎平は父親が銀行員の転勤族。中2の夏の終わりに横浜市の外れの町へ転入します。転校生の心得はしっかり身につけていて、クラスの中での順位などをすばやく把握し、的確に対処していきます。そのクラスの中で、いちばん綺麗で大人びているにもかかわらず、クラスの中では最下位と見なされ、誰からも無視されている女の子がいます。みんなからは「キヨコ」と呼ばれています。なぜ彼女はキヨコと呼ばれ、みんなから無視されているのでしょうか。慎平の後にやって来た転入生、高野の登場により、キヨコと関わるようになり、彼女のことを知っていきます。

 

いい本に出会うと、ただの読者にすぎないのですが、「やられた」と思ってしまいます。この本は図書館で何度か見かけたことがあるのですが、勝手にちょっと怖い話かなと思って、読むのを躊躇っていました。しかし、集英社のナツイチの「切ない本よまにゃ」の中で紹介されていました。私が思ってたのと違うかもと思って、ナツイチで紹介もされてるし、興味がわき、手に取りました。その結果、特に後半の方は、私はやられっぱなしで、泣かされもしました。

前半では、高校ぐらいまでは、たしかに教室が全てだったな、なんて思い出しました。作品の舞台の中学校では、いじめはダサいことだと思われているので、目に見える形でのいじめはありません。その代わりに無視するのです。ただ相手にされないだけならいいじゃないかと思うかもしれませんが、周りは無視するために監視するのです。そして、この監視が辛いのです。

みんなから無視されているキヨコですが、キヨコについて知っていくうちに、私も惹かれていきました。普通の中学生とは違います。主人公の慎平も、中学生にしては考え方がかなりクールです。途中、中学生だということを忘れそうになりますが、それでも彼らは、まだ中学生であって、大人ではないのです。大人だったらできることが、できないのです。

読書感想文を書かなくなって、もう長いことたちます。色々感じたことはあるのですが、なかなか書けません。また時間をあけて再読したら、感じることもちょっと違うかもしれません。だから本当は、感想をしっかり書いておきたいのですが、うまく整理できなくて言葉が不自由なので、1つだけ備忘録をかねて、一番心に響いた部分を書きとめておこうと思います。

「自分が恵まれていると感じる人は他人に優しくしてほしい。自分が恵まれていないと感じる人は、それでも他人に優しくしてほしい。そうすれば世界は少しずつ良くなっていくと思います」