すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

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本棚:『食堂のおばちゃん』

山口恵以子さんの『食堂のおばちゃん』を読みました。佃にある「はじめ食堂」は、姑の一子(いちこ)と嫁の二三(ふみ)の2人が仲良く切り盛りしている家庭料理を出すお店です。元々は、銀座のホテルで修行した孝蔵が一子と二人三脚で洋食屋をしていましたが、孝蔵が亡くなったあと、一人息子で商社マンだった高が店を継ぎ、その時に洋食屋から家庭料理を出す食堂に変えました。ちょうどその頃、バリバリのキャリアウーマンだった二三が「はじめ食堂」に通うようになり、妙な成り行きで高と結婚することに。二三は結婚後も、キャリアウーマンとして働いていましたが、10年前に高が亡くなった時、仕事をやめ、一子とともに食堂で働くようになりました。以前読んだ『名古屋駅西 喫茶ユトリロ』と同じように、近くにこういうお店があればいいなぁ、常連さんになれたらいいなぁと思いました。ちなみに、著者自身が“食堂のおばちゃん”だったというのも、面白いなと思いました。そして、本書のおわりには、作品中に登場した料理のレシピが載っています。

 

一子、二三と常連さんとのやり取りも素敵なのですが、二三の一人娘である要(かなめ)が、うまく行かない恋に落ちてしまったときの対応がいいなと思いました。要が恋した相手の当麻は、いい人ではあるのですが、問題は女にモテすぎること。何もしなくとも、自然に女性のほうからやってきてしまうのです。そして、二三自身にも過去に似た経験があります。でも、本人が気づかなければ、周りが何を言っても通じません。そこで、しばらくは様子を見るのですが、要が泣いて帰ってきた夜、次のように言います。

「よく聞きなさい。愛情っていうのは無理を強いるものなの。やりたくないこと、嫌なこと、辛いことでも、愛する誰かのためにせざるを得ないのが愛というものなの。当麻があんたのためにやりたくないこと、つまり我慢したことある?ないでしょ。あんたが嫌がっても他の女との付き合いも続けてるんでしょ?それは愛情がないからよ。分かった?」

 本書もシリーズ化されているので、続きを読みたいなと思います。

 

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