原田マハさんが贈るショートストーリー。本書に登場するのは、恋や仕事に一生懸命な20代、30代の女性達。彼女たちに比べると、私の人生はなんと平凡なんだろうと思いましたが、いつもとは違う角度から切り取ってみたら、もしかしたら見え方も変わるかもしれないな、日常の些細なことに幸せはあるんだろうな、と思いました。
幸せだなって感じるのは人生の中で何度かある大きなイベントのときなのかな?と思うけれど、過去を振り返って思い出すのは、日常の何気ないシーンのことの方が多く、その何気ないシーンにほんわか幸せを感じたりします。それほどイベント事を体験していないのですが、例えば、卒業式とか成人式だと、式そのものよりも、式の後にみんなで写真を撮ったときのことの方が覚えています。あと、着付けのために早起きが辛かったのだけど、良かったなぁ~となぜだか思います。進学や就職も、嬉しかったり、ほっとしたり、というのは確かにあったのだと思うのですが、なんだかおぼろげです。幸せに気づくのがいつも遅くて、後から、あの時 幸せだったなぁと思う私。未来からすると、今もきっと幸せだったなぁと思える日々なのでしょう。ふだんから幸せを感じられる人は素敵だなと思います。
原田マハさんの『本日は、お日柄もよく』を以前読みまして、そのときの感想を読み返してみたら、そこにちょっと昔の私がいて、やっぱり幸せだったと思いました。