以前読んだ『督促OL業務日誌』はKindleで読んだので、本書を図書館で見つけて、図書館にもあるんだ!と手に取りました。ちなみに発行は『修行日記』の方が先です。
著者が新卒で入社して配属されたのはキャッシング専門の督促部署。督促とは、カードなどを使って、その支払いをしていないお客さんに、電話や書面で「入金のお願い」をする仕事。お金の催促…。社会人になりたてでの最初の仕事にしては、なかなかハードです。精神的な負荷だけでなく、当時は勤務時間が7時から終電までだったとのことで、洗濯の時間もなくて、替えの下着がなくなると、乗換駅のユニクロでパンツを買って帰り、ユニクロが閉まっているとコンビニへ。さらにはコンビニパンツが家にあふれたため、紙パンツ生活へ…。おしゃれしたい年頃の女の子にとっては、大変だっただろうなと思います。実際、離職率も高いようです。しかし、督促のようなストレスフルな仕事で人生を狂わされてしまう人を一人でもなくすことができたら、とノウハウをつかんでいきます。
督促OLのコミュ・テクとして、「お金返して!」と言わずにお金を回収するテクニック、いきなり怒鳴られた時に相手に反撃する方法、厳しいことを言う時のツンデレ・クロージングなどなど、参考になりました。
まだ入社したばかりの頃、たいていはみなさん優しいのですが、たまに厳しいことを言われた時や、見えない壁を作られた時など、けっこう凹みました。徐々に「まぁ、そういうこともあるよね」とか、こういうふうにしたらいいかな?と対処できるようになったり、少しは成長したでしょうか。成長は遅くとも、ただ続けているだけでも、ほんのちょっとでも前進はできるのでしょう。でも、その前に心が折れてしまわないように、ノウハウは共有できるといいですね。
↓文庫版はこちら