すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『時間を、整える』

片付けの本は好きだけれど、モノよりも整えたいのは、やはり時間。年々、1年があっという間に過ぎ去って、このままでいいのかしら?という気にもなります。

 

本書の最初にあるのは映画監督の河瀬直美さんのインタビュー。映画を創るとき、俳優さんたちにまずはそこで暮らしてもらうそうです。それは、たとえば山の暮らしをしてもらわないと、山の所作はわかないので、薪を割るとか、くべるとか、撮影前からやってもらって、自然に身についたころから撮りはじめるそうです。

河瀬さんは生まれ育った奈良を拠点に映画を創り続けているそうですが、奈良の山のじいちゃんの言葉「柿を食べたいと、桜の時期に思っても食べられへんで。柿の時期に、桜を見たいと思っても見られへんで。だから、河瀬さんにはまだ時期が来てへんだけや。もうちょっと我慢しいや」が心に響きました。今は季節を問わず、いろんな野菜がスーパーで売っていて、旬がいつなのかよくわからないけれど、それぞれタイミングがあるんだよなぁ、焦らなくても、比べなくても、いいんだよなぁ、と思いました。

本書ではいろんな方の時間の付き合い方が紹介されていますが、理論物理学者の佐治春夫さんのお話が興味深かったです。こういう本で、なかなか物理学の話が出てくることはないと思いますし。といっても、難しい話ではありません。

時間とは、絶対的なものではない。相対的なものである。それぞれに固有の時間=固有時が流れているに過ぎない

アインシュタイン相対性理論

恥ずかしながら「相対性理論」という言葉は知っているけれど、中身はさっぱり…で。でも、時間でさえ絶対的なものではないのなら、他のいろんなもの、例えば価値観なども絶対的なものがないのは当たり前かもしれないな、と思いました。先程の話とも重なりますが、ついつい他人や世間の価値観と比べて、私って…ってなりますが、そもそも流れている時間が違うんだから、比べても仕方ないじゃない?と。小学校の頃の担任の先生が星野富弘さんが好きで『速さのちがう時計』を、ある時、紹介してくれました。そのタイトルだけは頭に残っていて、「そうだ、速さのちがう時計なんだ」と本書を読んで思いました。