すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『愛なき世界』

国立T大学の赤門ちかくにある洋食屋「円服亭」の住み込み店員である藤丸陽太が恋した相手は、T大学の生物科学専攻 博士課程1年の本村紗英。本村は顕微鏡写真で撮った気孔をプリントしたTシャツを着ているような女性。つまり、植物に恋をしているような女性なわけで…。

 

ざっくりとした括りでいうと、私の専攻は化学になりまして、以前、知り合いの方(こちらはちゃんとケミスト)が『ラブ・ケミストリー』を勧めてくれた際、物理を扱った小説はけっこうあるけれど、化学はあまりないから、実験室の描写とか、わかる!わかる!と面白かったと言ってたのを思い出しました。本書は生物ですが、実験器具としては共通するもの多く、ピペットマンとかパラフィルムとか、なんだか嬉しくなりました。

本村が色々悩むシーンは、たとえ好きで自分で選んだ道であったとしても、それが少数派であれば特に、これでいいのかな?わたし何やってるんだろう?と悩むこともあるんだろうなと思いました。

大学で実際に研究に着手するのは、4年生になって研究室に配属されてからで、あゝ、わたし研究向いてないわーと思った時は、すでに修士課程に進むことが決まった後。ほとんどの人が修士に進むので、それが普通と思っていたし、全然、就活もしていなかったし、そのままなんとなく進んでしまい、さらに就活もその延長線上で行い、会社に入ってからも、やっぱり向いてないわーと何度思ったことか。それなのに、辞める勇気はないので、ずるずると…。他人の研究発表を聞いても、研究の内容そのものよりも、研究の背景とか、苦労している点とか、その人の思考とか心の方に興味があって、やっぱり私、ちがうんだろうな…と。贅沢な悩みではあるのでしょう。もちろん、すべての人が、自分の好きなこと、得意なことを仕事にできているわけではないのでしょうが、だからこそ、時として悩みながらも、好きなものに突き進める人が羨ましいです。

ところで、本村が研究対象にしてるのはシロイヌナズナ。植物を全然知らない私は、画像検索。もうちょっと周りの植物に目を向けてみよう、そして、野菜も植物だし、しっかり味わって食べたいなと思いました。また、本村にとっては、シロイヌナズナも気孔も “かわいい” わけですが、以前、カビの研究をしていた友人も、カビを “かわいい” と言ってたのを思い出し、これは「あるある」なんだなと、にやにやしてしまいました。