すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『蜜蜂と遠雷』

ピアノコンクールが舞台のお話です。出場するコンテスタントはもちろん、審査員側の葛藤もあり、壮大な物語だなと思いました。そして、この物語には、きっと終わりはないんだろうなと。人生の大部分を音楽に費やし、でも、自分には才能があるのだろうかと悩み、舞台に立つのに恐怖を覚え、その場限りの演奏で評価される。なんとも恐ろしい世界ではありますが、その場限りであるからこそ、面白く、美しいのかもしれません。

 

以前習っていたピアノ教室の先生は、フルートが専門でした。音大を出て、演奏だけでは食べていけないということは分かっていたので、音楽教室で働くことに。将来、プロを目指したり、音大に行くような子を教えられるのかなと思っていたら、大人のレッスンで、しかもピアノ。さらには、楽譜を読めない生徒も(実は私もその一人)…。何年か続けるうちに、大人のレッスンの良さに気づき、むしろ天職だと思うようになったとのことですが、その話を聞いて、音楽が好きでも、それで食べていくのは大変なんだなと思ったことを思い出しました。

先日、オンラインコンサートを視聴しましたが、ちゃんとホールで音楽を聴いた経験と言ったら、JAF会員のための音楽会「音楽日和」に2, 3回行ったのと、大学の時に友人が混声合唱団に入っていたので、その定期演奏会に行ったぐらい。でも、本書を読んで、そもそも世界は音楽で溢れているんだと…。日曜の朝、まだ少ししか動き出していない町を散歩してみると、鳥のさえずり、踏切や電車の音、自転車や車の音など、たしかに無音ではないなと。そして、改めて聞いてみると、鳥のさえずりってすごいなと。

昨日、「遠き山に日は落ちて」でぼろぼろ泣いたと書きましたが、料理において思い出がスパイスになるように、五感と記憶の結びつきで、自分の世界が広がるのかなと思いました。