すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『生きるために本当に大切なこと』

著者は大学卒業後、定時制の高校で教壇に立ち、その後、いくつかの学校で教え、2010年から2015年に立教新座中学校・高等学校校長、現在、自由学園最高学部長の渡辺憲司さん。

 

本書の一番最初にあるのが、東日本大震災後に「卒業式を中止した立教新座高校三年生諸君へ」のメッセージ。その中で、大学に行くことが他の道を行くことといかなる相違があるのか、という問いかけがあります。大学は学ぶところではありますが、大学だけが学ぶところではなく、学ぶことは一生のことです。また、友人を得るため、楽しむためでもないとしたら…。著者によると、大学に行くとは、「海を見る自由」を得るため、言い換えるなら、「立ち止まる自由」を得るためではないかとのこと。

これまで振り返って、大学時代は同じ学生とはいえ、高校までとは違っていたし、社会人ではないけれど、一人暮しをしたりと特別な時間だったなと思います。何がそんなに特別だったのか、はっきりとは認識していなかったけれど、立ち止まれたからだったのかと。

江戸時代、吉原では武士が刀を持って廓に入ることが禁止されていたそうです。吉原では武士であることが誇りにはならず、権力を振りかざすことは、もっとも野暮だったそう。不要なものや目立つようなもの、派手なものや新しいものは持たないというのが、洒落た男だそう。あくまで地味であることが粋で、武器を持つことを恥ずかしいと感じたそう。刀を持つことは野暮、鉄砲を持つことは卑怯だったそうで、その感覚は素敵だなと思いました。

辛い時こそ一緒にいてくれるのが本当の友だち、などと言いますが、辛い時こそ本当に必要なものが何なのか分かるのではないかと思います。また、辛い時こそ、ちょっと立ち止まって考えてみようという合図なのかもしれないなと思いました。