すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『四十歳、未婚出産』

大好きな垣谷美雨さんの作品。『うちの父が運転をやめません』の時と同様、読むのが怖かったのですが、でも、きっと読後は前向きになれるはずと。怖かった理由は、自分の年齢を直視しなければならないだろうから。特にライフイベントもなく人生を過ごしているので、自分の中であまり年を取っている実感がないんです。だから、若い頃とあまり変わらないつもりでいるけれど、「20代の頃、40歳をどう思っていたか?」を冷静に考えてみれば、答えは残酷です。本書でも、あぁそうだよね、耳が痛いわ~と思うところは多々ありまして、年相応というのは気をつけようと思いましたが(無理に老け込む必要はないだろうけど)、最後は、まぁちっちゃい悩みだなと。

 

さて、主人公の優子は都会に暮らして旅行会社に勤めていますが、地元は田舎。都会での独身40歳と田舎でのそれは違います。海外出張の非日常の中での部下との1回きりで、まさかの妊娠。未婚の母になろうものなら、苦労するのは目に見えているけれど、子供を産むのは最後のチャンス…。優子のお姉さんは、すぐに離婚してもいいから籍を入れろとか、母親にいたっては、優子の同級生に戸籍上の父親になってくれないかと相談までしてしまいます。そして、会社は産休や育休などの手当てや配慮が不十分で、出産後も働いている女性はわずかで肩身の狭い思いをしています。さて、どうなることやら。

戸籍制度があるのは日本と中国だけというのは知りませんでした。そして、世界には餓死寸前の子供がたくさんいるのに、紙切れ一枚でごたごた言う…。大事なのは子供が信頼できる大人に育ててもらうことで、戸籍や認知の問題ではない。あぁ、確かにと思いました。多様性の尊重が言われるようになりましたが、日本国憲法でも基本的人権の平等権がうたわれております。でも、実際は…。近い将来には変わっているのかな。

最近思うようになったことは、家族がいようがいまいが、結局はみんな一人。でも、一人では生きていけないから、お互い様の気持ちを忘れず、みんなから可愛がってもらえるようにと。

 

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