すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『みかづき』

昭和36年。授業についていけない子たちに勉強を教えていた用務員の大島吾郎。ある日そこへ訪れた一人の少女、蕗子。しかし、その目は勉強のできない子の目ではなかったが…。

 

戦後、教育界では裏街道とされ、かつてはごく一部の子どもたちが人目を忍んで通っていた塾。千葉で塾を運営していた大島家の3世代、平成までのお話です。津田沼戦争というものがあったとは知りませんでした。また、吾郎の娘の一人の「なんで、塾はただのビジネスであっちゃいけないんだろう」「塾だけが、有償で教育を提供することに妙なやましさを背負わされている」というセリフに、確かにそういう意識はあるなと思いました。教育はみな平等に与えられるべきと思って(期待して)いるけれど、でも、お金を払って我が子によい教育を受けさせられるなら、それはそれ…なのでしょう。最近ではアプリやオンラインのものもありますし、そういうものであればお値段は安いと思うのですが、そうは言っても、スマホなどが使える環境がないと利用できません…。本書の終わりの方では無料の学習支援の話もありまして、調べてみると、ひとり親家庭などへの学習支援を市でも行っているのですね。

 

以前読んだ『お手がみください』を思い出しました。このお話の主人公の曾祖母は字が読めないため、曾孫からの手紙に返事を書けないのですが、字の読み書きに苦労があるからこそ、字を大切にしています。教育は平等に与えられるべきだとは思いますが、与えられて当然というか、ありがたみを忘れてはいないだろうかと思いました。

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学校の教科書の内容だけが勉強ではないと思うし、勉強はいくつになってもできるものだと思いますし、図書館の本なら貸出カード1枚で借りられるし、無料~低価格のサービスも色々ありますし、そういう世の中に暮らせることをありがたく思います。

 

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