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本棚:『とり残されて』

最近、宮部みゆきさんの作品は読んでいませんでしたが、図書館にある短編集の文庫本はほぼ全部読んでいるんじゃないかと思っています。…いや、思ってました。本書(文庫版)を見つけたとき、「あれ?これ読んでなくない?」と。実際、これまで読んだことがなかったのですが、この文庫は1995年が初版(単行本は1992年)で、どうして今まで気づかなかったのかしら?まさしくタイトルのように「とり残されて」たと思いました。まぁ、毎回棚をくまなくチェックしているわけではないですし、貸出中のこともあったでしょうけど、それでもなぁ…と。

 

そのタイトルの「とり残されて」から連想するイメージは何でしょうか?なんなくハッピーな感じではないのではないでしょうか。挙式まであと一ヶ月というときに、婚約者を交通事故によって殺された主人公の女性が、養護の教師として働く小学校を舞台にした『とり残されて』。大学生の兄とその仲間の乗った車が運転を誤り、淵へと落ち、命を失った場所であり、隠れ里のような村へ行く途中にある『おたすけぶち』。ゾクゾクしました。でも、全てが怖いというわけでもなく、ちょっと悲しい部分もあるけれど、ほっとするような、前向きになれるようなお話もあります。

解説によると本書は『火車』の直後に刊行された作品集だそうです(←単行本の方)。『火車』は読んだ時のインパクトが強くて、いまだにひょっこり思い出します。90年代の作品なので、時代が今とはちょっと違いますが、深く持ってかれます。私にとって90年代は小学生~大学入学ぐらいまでなので記憶にありますが、若い人だと知らない時代で新鮮に感じるかもしれませんね。