すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

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本棚:『イノセント・デイズ』

「整形シンデレラ放火事件」と命名された事件。被告人の田中幸乃は、元交際相手の住むアパートに放火し、在宅していた元交際相手の妻と双子の姉妹の3人の命を奪った。幸乃は、私生児として出生、その時、母は17歳のホステスであり、養父からは虐待を受け、中学時代には強盗致傷事件を起こして児童自立支援施設に入所していたという過去をもつ。そして、事件の三週間前に大がかりな整形手術を行っていた。彼女に下った判決は死刑。しかし、彼女の過去を紐解けば、その人物像は判決理由とは異なっていて…。

 

著者は『店長がバカすぎて』の早見和真さん。この『店長がバカすぎて』の読書メーターの感想で、「本当に『イノセント・デイズ』と同じ作家さん?」といったものをいくつか見かけて、そんなに違うの?と気になって手に取りました。そして、読んだ感想としては、はい、確かに作風というのか、テーマの重みというのか、全然違うなと。

白河三兎さんの『私を知らないで』でも思ったのですが、子どもって、どうしたって親や周りの環境に影響されてしまうわけで、本人は何も悪くないのに、どうしようもないこともあって、その無力さが切ないです。一方、大人になれば自由に道が開けるかというと、過去にトラウマがあると、なかなか難しいこともあるのでしょう。

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最後の方に「なんかいかにもだなってさ、私も間違いなくそう思ってたんだ。何も知らないくせに。自分勝手に決めつけて」というセリフがあります。ニュースやワイドショーなどで容疑者の顔写真を見て、「いかにもだな」って思ったことはないでしょうか。一方的に送られてくる情報だけで、本当のところは知らないわけで、そのセリフが胸に響きました。

 

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