すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

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本棚:『たのしい不便』

新聞記者の著者が、消費中毒から離脱するためのノウハウ確立を試みて行った、一年間にわたる「不便」のルポと、その後の対話企画を収録した本書。約20年前に書かれたものになりますが、今でも十分通用する内容ではないかと思いました。対話の中には原発の話もあって、あぁ、この約10年後に3.11があったんだよな…、あの時、節電を意識した人は結構いると思うけれど、その10年前はどうだったかな?とか思ったり。

 

 

まず、ルポの方では、自転車で通勤する、自動販売機で買わない、季節外れの野菜や果物を食べない、ティッシュペーパーを使わない(←アレルギー性鼻炎もハンカチ2枚で楽々クリアーとのこと)など実施されています。また、野菜を作るだけでなく、アイガモ農法でお米も作ったり…。

ここで気になったのが、自動販売機で買わない、というもの。いくらペットボトルはリサイクルするといっても、リサイクルにはエネルギーを消費するし、その前の回収するところでも、さらにはその前の液体という重いものを運搬するところでも、エネルギーを消費するわけで、全然エコじゃないじゃん!と思っています。会社にも自販機がいくつもありますが、本当に必要なの?と思っています。お客さんや出張者のために数台はあった方がいいかと思うのですが、ふだんそこで働いている人だったら、職場のポットをつかってもいいし、マイボトル持参すればいいんじゃないの?と。

それから、「原則的に残業しない」というのもあります。早く帰ると印象が悪い…みたいな感じで、本当は退社できるのに、ダラダラと遅くまで残っているとしたら、こんな無駄なことはありません。本書では、ワークシェアリングの話もあって、これって最近の話じゃなかったんだ…と。

モノが売れなければ経済が回らないという考え方がありますが、モノが売れないということは、もう十分にモノが行き渡っているということです。最後の章で、人間の成長を例に、子どもは当然成長しなきゃいけないが、成長した後もずっと成長が止まらないというのは異常だし、まして成長し続けないと死んでしまうというのは、非常に危険な兆候だということが書かれています。肉体的に男性は大体25歳、女性は19歳くらいで成長しきって、その後、いくらでも成長していいのは、知性とか感受性とか。これを社会に置き換えても同じことが言えるとのことですが、「フィジカル」には「身体的」という意味と同時に「物質的」という意味があるというのが感慨深いです。

古い本なので、図書館だと収蔵庫などにあるかもしれませんが、一読の価値はあると思います。