すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『東京近江寮食堂』

定年退職前の約1カ月の年休消化を使って、滋賀から東京へやって来た妙子。それには、ある目論見があって…。しかし、財布を落としてしまい、やむなく滋賀へ戻ろうかとしたところ、財布を拾った人が現れて、たどり着いた先は滋賀県公認宿泊施設「東京近江寮」。目論見をはたすべく、近江寮に宿泊させてもらうとともに、食堂で働かせてもらうことになって…。

 

近江寮の管理を任されているのが、妙子と同じぐらいの年齢の安江。残念ながら安江の作る料理はまずく、客は滅多に食べない状態だったのが、妙子が料理をするようになって一転。料理に関する文章で、お腹が空いてきます。特に滋賀の郷土料理を一度味わってみたいなと。

安江の姑のヨシ子さんは、ちょっとボケちゃったおばあちゃん?と思いきや、ところどころで何かがおりてきたかのようにしゃきっとし、そのセリフが胸に響きます。ヨシ子さんが妙子に言った言葉が特にいいなと思いました。

「焦っても仕方がないよ。目の前のごはんを大事にするんだ。目の前のことに集中するんだ。毎日を大切にすれば、想いのかなう日がきっとやってくる。がんばって生きていくんだ」

食べることは生きることなんだなぁと改めて思いました。

外食となると、お金を払って食べる分、料理を提供する側としても、それなりのものを…となるのでしょうが、豪華じゃなくて全然よくて、ふつうの家庭料理を気軽に食べれるお店が増えればいいなと思ったりします。

 

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