タイトルに「ふたたび」とあるように、『ミッキーマウスの憂鬱』の第二弾。前作の主人公も登場します。
東京ディズニーランドで清掃のアルバイトをしている19歳の永江環奈。小学生のころから体育会系のノリとスクールカーストが嫌いだった環奈は、夢の国になら、そんな人間関係が潜んでいるはずはないと思って勤めだしたものの…。
夢の国はもちろん好きですが、年に1回は必ず行くとか、どのキャラクターが好きとか、そういうのはなくて、よく知らないのですが、清掃員はカストーディアルキャストと言うんですね。custodialという英語、知りませんでした。
文化によっても違うと思いますが、清掃員ってなんとなく地位が低いように思います。環奈の母親も、娘が働いている場所がTDLとはいえ、あまり良く思っておらず、事務などの仕事をしてほしいと思っています。そして、その母親の価値観が環奈を苦しめているようにも思うのですが…。一方、63歳の新人である久保の「清掃こそ誇り高い仕事だと思いますよ」というセリフに、いいぞ!と。
掃除は苦手ではありますが、掃除は生活の基本だと思っています。自分を含め、そこで過ごす人たちが気持ちよく過ごせるように、職場であれば、効率よく作業ができるように環境を整えることが掃除だと思っています。なので、掃除は下の者がやるというより、上の人こそ積極的にやるべきと思っています。
さて、環奈はアンバサダー候補にエントリーし、人々の注目を集めるため、魔法(タネはあります)で掃除をするというパフォーマンスをするのですが、最後にあるセリフ「掃除は魔法じゃなくて、自分の手でやるの」がいいなと思いました。ここでのセリフの意図とは違う方向で、共感しまして…。というのも、私の勝手な解釈では、「魔法」を掃除ロボットに置き換えました…。
本書を読んで『ミッキーマウスの憂鬱』をふたたび読みたくなりました。