すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『空き家課まぼろし譚』

「水の都 海市(かいし)協会」の「空き家課」に新卒で勤めはじめてもうすぐ2年の間宮明。ある日、課長の娘で小学5年生の汀が、お仕事見学のため、明の仕事についてくることに。しかし、頼りない明は、汀の尻に敷かれっぱなし。そして、空き家で見つけたアルバムを持ち帰ろうとしたところを汀に見つかるものの、汀の不思議な力が現れて…。

 

数年前に実家に帰省中のこと。自分がまだ小さい頃のアルバムを見つけて、何気なく見ていたら、なんだか不思議な気分でした。確かに存在した一瞬を切り取った写真。自分自身は記憶に全くないけれど、この写真の中で幼い私は確かに存在していたわけで。

写真は思い出の品でもあるけれど、時に残酷でもあるかもしれないなぁ(もう若くはないと実感するとか…)とも思ったり。

今ではスマホで簡単に写真が撮れるので、SNSにあげるわけでなくとも、ちょっとメモ代わりに写真を撮ったりしますが、昔は貴重なものだったのでしょう。以前、祖父が若い頃に撮った写真を知人に見せたところ、貸してほしいと言われ、貸したら戻ってこなかった、みたいな話を聞いた記憶があります。その時、母が「自分の若い頃の写真ってことにされちゃったんじゃない?」と言ってたような。

さて、本書では「空き家課」という職場ですが、空き家バンクを調べてみると…、今住んでいる市にも地元にも物件情報がありました。将来、実家も空き家になるんじゃないかと気になっており、新築もいいけど、空き家が活用されればいいのにと思っていますが、色々事情があるのでしょう。

ところで、汀は「みぎわ」と読むそうですが、知らなくて、意味を調べて、海市に相応しい名前だったんだなぁと思いました。

 

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