すっきりした部屋であまりゴミを出さずに暮らしたい

暮らしは小さくてもすっきりと、心はゴチャゴチャしてても大らかに

本棚:『銀塩写真探偵 一九八五年の光』

高校一年の真下陽太郎は、夏休み最後の土曜日、写真部の部室の大掃除中に8×10の印画紙に焼かれたモノクロ写真を見つけ、心を奪われた。そして、その写真を撮った写真家の辛島弘一に弟子入りを申し込み…。

 

先日紹介した『空き家課まぼろし譚』と同じく、ほしおさなえさんの作品でして、こちらも写真に関わるお話です。昔の写真で、駅前や商店街が賑わっている様子などを見ると、「あぁ、この時代に行ってみたい!」と思いますが、本当にそれができたなら。

タイトルにある1985年、わたしは生まれていますが、記憶はほぼ無し。生きている時代だけど、実感のない、知らない時代。でも、写真の中に確かに存在する幼い私。なんだか不思議です。

 

陽太郎の父親もかつて大学の写真部の部員で、人物を撮るのがうまかったと終盤で分かるのですが、自分の顔を意外と知らない、というのに、確かになぁ~と思いました。

大学の頃、研究室の同期の一人が写真を撮るのが好きだったのですが、写真を撮られていることに気付かずに撮られた自分の写真を見て、初めて「わたし、母に似ているかも」と思いました。ふだん見る自分の顔といったら、鏡に映った自分だし、写真に写るときは顔を作るし…。それまで、母に顔が似ていると思ったことはなかったので、そこそこ衝撃でした。