7つのお話が載っている短編集。その多くに、ちょっとしたトリックがあります。いずれも女性が主人公で、就活、婚活、妊活、保活、終活などなど、人生のイベントがテーマになっています。
ちょっとゾッとする話が多いかなと思いますが、その中でも私が一番ゾッとしたのは「ダブルケア」というお話。主人公は50代の女性。一人暮らしの80代の母親の面倒をみるだけでなく、小学一年生の孫娘の送り迎えもしています。過去には、義父母の介護も経験しており、休む間もなくそんな慌ただしい日々を送る中で…。
以前聞いた介護の話で、寿命が延びている分、親の介護をするとき自分自身も高齢になっているとか、晩婚化で育児と介護が重なるケースがあるとか、ヤングケアラーの話などを思い出しました。介護離職だけはしまいと思っていますが、自分自身の老後はどうなるよ?という問題もありまして。
話は変わって、「死後離婚」というのは初めて知りました。配偶者が亡くなった後に姻族関係終了届を役所に提出することで、亡くなった配偶者の親族との関係も終わらせることができるとのこと。ちなみに復氏届は婚姻前の氏、すなわち旧姓に戻すだけだそう。親戚など身近では例がないので、実際にどのぐらい行われているかは分かりませんが、知ってたらやる方も多いのかな…。